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Wednesday, February 19, 2020

ESJ 2020 symposium 群集生態学における諸理論の拡張に向けて / Expanding the boundary of community ecology

I am giving a talk at a symposium "群集生態学における諸理論の拡張に向けて / Expanding the boundary of community ecology" at the Ecological Society of Japan in Nagoya (8th March, 2020)!

This symposium is organized by Naoto SHINOHARA(University of Tokyo). Speakers are Naoto SHINOHARA(University of Tokyo), Nishizawa KEITA(Yokohama National University), Yuka SUZUKI(Okinawa Institute of Science and Technology Graduate University), Taiki TACHIBANA(Yokohama National University).

Symposium abstract:
自然界では、多くの種がお互いに影響し合いながら群集と呼ばれるまとまりを形成している。群集構造の決定メカニズム、あるいはその構造がもたらす帰結を明らかにすることは古くから生態学における中心的なテーマであり、群集集合、メタ群集、多様性–機能関係といった諸理論が発展してきた。しかし既存の理論は、多様な種間相互作用、空間構造や個体の移動分散といった複雑さを持つ自然界のパターンを説明するには十分でない。近年、それぞれの理論が成熟してくるに従って、こうした自然界の複雑さを取り組んでいく必要性・可能性が指摘され始めてきた。
 本集会では、群集生態学に取り組む若手研究者がそれぞれ、群集生態学におけるメインストリームとも言える理論(群集集合:篠原、西澤、メタ群集:鈴木、多様性–機能関係:橘)の紹介・レビューを行ったのち、それらの限界を指摘し、理論の拡張へ向けた自身の研究を紹介する。また、横浜国立大学の森章准教授をコメンテーターとしてお呼びし、群集生態学のさらなる発展の方向性について議論する。

My talk title and abstract: 
The effects of complex spatial structure on metacommunity biodiversity patterns
空間構造の詳細がメタ群集多様性パターンに与える影響

群集生態学において、空間のスケールとその構造が多様性パターンに与える影響の重要性は近年広く認識されてきた。それに伴い、より大きな空間スケールを取り扱うために様々な群集モデルが提案されてきた。多様なモデルはシステムの多様性を反映するとともに、メタ群集ダイナミクスの複雑性も反映している。すなわち、多くのモデルは特定の自然条件下での動態を記述したものであるが、実際には複数のモデルが働いているような状態であり、それらがどのように関連しているかという知見を深めることが重要になってきている。このような群集モデルの複雑性に加えて、空間構造の複雑性も大きな空間スケールを考える上で無視できなくなってくる。したがって、複雑な空間構造と関連づけつつ、異なるメタ群集モデルの関係性を調べることが重要である。本講演では、まず注目する空間スケールの変化にともなる理論モデルの発展とメタ群集理論を紹介する。さらに空間構造に焦点をおいたモデルへと展開し、空間構造の影響の理解がどのように(メタ)群集生態学の発展に貢献するかを議論する。